葉

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昔、梅が「健康食品」だった頃、見かけが汚いのは平気で当たり前だった…

 梅は健康食品の代表的なもので、農協なども農薬には特に気を使って いるようです。しかし、市場では梅のきれいさにより格段の価格差があり、 農家はできるだけきれいな梅を作ろうとします。同じように労力をかけ、 生活がかかっている以上、これは当然のことです。 等級には「秀」「優」「良」「並」「選外」があり、消費者がせめて「良」で我慢 してくれれば、そしてジュースや梅酒や梅肉エキスに「選外」も使ってくれれ ば農薬はもっと少なくて済むのです。
 ホームページを立ち上げて以来、無農薬の理想を掲げて農薬使用量を減らすよう試行錯誤してきました。一時は農薬回数1回まで減らしましたが、現実に直面し、お客様のご要望を取り入れ、生産者としての良心の範囲内で少しずつ試行錯誤しています。
以下文章中に「最低農薬」とあるのは2006年までのものです。

 梅の花。桜もいいが、梅の花はたくましくて好きです。
 未成熟の状態で,カリカリ梅や梅エキスにはこの状態のものをお送りします。まだまだ大きくなるのでもったいなく,「損」をした気になります。が,それぞれの用途に最適のものを最適の時期にお送りしなければなりません。

 梅エキス用には「やや汚い」ですがB級品で十分でしょう。私は選外品を使います。実の周りの「毛」が半分取れ,光沢が出てくると「青梅」として出荷します。
 青梅は梅酒・梅ジュースに最適です。どちらも「食べるもの」ではないからB級品で十分ですが,低農薬でもこの時期は「黒星病」があまり出ていないので、私としてはA級8割,B級2割程度の割合でご注文頂けるのが実は一番「嬉しい」のです。写真の右下の実は「紅南高」といって,一番「高値」になりますが。私は区別せずにお送りしています。大きさも4Lを中心として2Lくらいまでありますが,選別しないのが私の方針です。

 これから「色」が抜け,黄色味がかってきたら「熟し梅」。漬け梅やジュースに最適です。「送り」の場合、この状態で発送すると,ついた頃には丁度「いい具合」になっているはずです。「完熟」のものは輸送中につぶれることがあり,その場で加工するときしか使えません。

 「熟し梅」の時期から「黒星病」が広がります。農薬消毒はもちろん農薬以外の消毒も収穫の少なくとも2週間前から散布しないので,「見守る」しかありません。特に最低農薬の場合は「無残」な姿になることがあります。

 「最低農薬」といっても,余りにキタナイものは人様にお送りできません。「見た目」も1つの「価値」です。「無農薬」というのは「農薬をやらないで放置する」ことではありません。放置しただけのものは梅酒やジュース用にしかなりません。一定のきれいさを保つためにいろいろ工夫しているのです。
 梅をいくら無農薬に近づけても、シソ漬けのシソが農薬入りでは話になりません。梅を買っていただいたお客様のために、無農薬のシソも作っています。
 シソは簡単に育てられるとお考えの方も多いようですが、ナメクジ・アブラムシ・夜盗虫・ダニなど、外敵が多くてとても難しいのです。
 梅取りに忙しくて草ボウボウですが、この田んぼでは「匂いと色は良いが病害虫に弱い」チヂミシソを、失敗を覚悟して2500本植えました。
 シソはシソジュースにも使え、サッパリ、スッキリします。他にも加工法があるようで、順次レシピを載せます。
 梅の凍害 (2007.4)

 2007年は梅もミカンも豊作と思いきや、梅に凍害が出た。
暖冬で花が咲くのが早く、このあと寒さが出たら大変だと心配していたところ、
3月中下旬に季節はずれの寒さ。梅の実が凍ってしまい、
白い筋やカイヨウのような傷が出てきた。
これらは多分《選外品》《「ジュース用》になる。
霜の害は扇風機を回すなどで対策できるが、凍害はお手上げ。
半分以上が被害を受けそれらは捨て値になるから、
今年はきれいな梅の値段が上がりそう。
被害状況がつかめるまで、梅の価格は保留にさせていただくことにしました。

 同じく防ぎようがないのが《ヒョウ》。
順調に大きくなって収穫も近づいたなと思う5月頃のヒョウはショックがきつい。

梅作りの基本方針…何よりも健康・安全第一に考えて作っています。

1.除草剤を極力使わない

 除草剤は最も危険な農薬と考え,ミカン同様1975年以来使っていませんでした。随分改善はされてきたようですが、弊害は否定できません。が、田畑が3倍に増え、高齢者の仲間入りをするようになると、手作業はもちろん草刈機での除草作業はだんだんきつくなってきました。そこで、実験を重ねた結果、自己紹介、省力化作戦、我思故我在などのページで詳しく説明しているようにきわめて限定的に方針変更しました。つまり、除草剤を使わないのを原則とし、忙しい時、体調の悪い時、夏の大変な時期に限り、作物に影響を与えない場所で、生育抑制作用の認められる有機物に最低限の除草剤を混ぜて使うことをお許しいただきたいのです。生産者としての良心は忘れないつもりです。

 写真1で, 隣の畑は草が立ったまま黄色く枯れており,除草剤を使っていることが分かります。幸いこの畑は私の畑の下なので,除草剤が流れ込むことはないと思います。また、彼を責めることは私にはできません。
 自分の体も危険にさらす農薬を好んで使う人はいません。梅取りの時期は1週間も経てば草がぼうぼうになり,草刈が追いつかず,草刈機での作業は危険かつ重労働で,石などが飛んできて失明したり,難聴になったりする人もいるのです。特に梅取りの忙しい時期に大きな梅畑を持っている人がまともに草刈をするとそれこそ「過労死」してしまうでしょう。また、私のところでは畑が少ないので「熟し梅」も手取りですが,大きな畑を持っている人は処理しきれず,落ちたものを拾います。そのとき梅が傷ついて菌が入ったり、虫に食われたり、幼虫が梅の実に入らないように除草剤処理した雑草をクッションにするのです。受け網を張っている人もいますが,経済面・作業面で大変だと思います。草を「手刈り」にすれば、というご意見もあるでしょうが,時間的に不可能で,この辺では「ハビ」と呼んでいる「マムシ」にかまれる危険性があります。農家はその人なりの「良心」でがんばっていることを理解してほしいものです。

 写真2は,「ヌカ」を使った除草の実験です。稲の除草法を梅やミカンにも応用しています。溝の部分は草がびっしり生えるのですが草刈のあと,「ヌカ」をまくと枯れてしまうのです。あとで生えてきた草の「芽」はバーナーで焼きます。ただ、ヌカはお金がかかるので,「おがくず」による実験も始めています。どんな思わぬ弊害が出るのか,特に近所迷惑にならないか,には十分気を使わなければなりません。
 除草剤を使わないため,草刈機での作業が大変なので,いろいろと工夫をしています。土は裸を好まない。草は生えるものだということを前提に,今後は次の順で雑草に対処するつもりです。
1.草をはやす代わりに野菜や有機肥料となる草を植える。
2.野菜が草より優勢を保つなど,草刈の必要がないときはそのままにしておく。
3..ヌカなどの未熟有機物の発酵を利用して草を枯らせる。
4.敷きワラなどの有機肥料で土をカバーする。
5.バーナーで焼く。…火事に気をつけなければならず,時間もかかりますが作業自体はより楽です。
6.草刈機を使う。…重労働なので「最後の手段」にしたいものです。

1.草刈


2.未成熟有機物による除草実験







2.EM・パイウォーターの活用

 これらは樹を活性化するためと、農薬の害をできるだけ少なくするために使っています。

3.お客様の求める商品価値と農薬使用の妥協点を探す

 当初の理想は無農薬でした。EM発酵液や木酢(もくさく)などが中心ですが、木そのものを枯らしてしまう「コスカシバ」、果実に致命的なダメージを与える「カイヨウ病」などには農薬を使わざるを得ません。コスカシバは「スカシバコン」と手作業による「虫つぶし」でほぼ解決しましたが、「カイヨウ病」は「菌」ですからどうしようもありません。やむを得ず果実のなっていないとき 、低農薬にして散布しています。
 私はこのように1回農薬をかけ,あとはEM.木酢,ピカコー(海藻エキス)などで黒星病等の対策をしたものを「最低農薬」と言っています。
 しかしそれだけでは「きれいなもの」ができず,市場や農協では安く引き取られるので,黒星病等の対策として木酢を入れて低農薬にしたものをあと2回だけかけて「低農薬」と言っていました。が、これも年々少なくし、2002年は忙しさもあって農薬散布ができなかったので、「低農薬」はなくしました。以後は全て「最低農薬」になります。←〜2006年頃まで

「最低農薬」にした弊害でひどく汚い実を大量生産することになってしまい、従来のお客様の半数以上が離れていきました。
たくさんのクレームに、打撃を受けましたし、農薬の少ないものをとの希望に応えてやってきたのに結局は綺麗さで判断されるのかとショックでした。

 これではダメだ(食っていけない)ということで、見た目もそこそこ綺麗な実を作るためのボーダーラインを再検討し始めました。
農薬回数を2回にしましたが、ひどいまま。その後、農薬3回に増やして少しましになりました。
2年ほどは徐々に綺麗になってきたので2回にと思っていると、2010年以降異常気象・天候不順が続き汚い実が出てくるようになりました。
外来害虫も増え、3回でも厳しく4回に増やすかで迷いもしましたが、そこは踏みとどまり2015年現在に至っています。

 また、「低農薬」の定義も変更します。
一般に
”減農薬”の文言は「その地域の一般に使われている農薬の半分以下」で表現を使用するのに認可が必要。
”低農薬”の文言が「生産者・販売者が農薬使用量が少ないと判断すれば」で表現を使用可能ですが、

 現在の香里農園の認識は
実質的には”減農薬”だけれど認可は取らないため表示上は”低農薬”とさせていただいています。
低農薬というのは農家の主観が入り、それこそピンキリです。
慣行農法から入ってきた人と、有機・無農薬から入ってきた人とでは感覚が違います。
回数だけでなく、希釈倍数や混合する非農薬物の割合も大きく影響します。
お客様にお送りするメールやパンフレット等には使用回数などを記載するようにしていますが、
一般にHP上に記載するとなると《正直者が損をする》結果になりかねません。
有機や減農薬の認可を得るためには厳しい条件と毎年の経費が必要になります。
余計な経費をかけないために。梅は”低農薬”という一般表示にしておりますが、
結局は《その生産者を信じられるか》ということに尽きると思います。
お客様も多様化してきましたが、信頼を得られるようにこれからも研究・努力してまいります。


[写真] 右上の写真で左下に大きな切り口が2つ見えます。これはコスカシバにやられたのか,突然枯れました。木の幹に入った場合は全体が枯れて,大変なことになるところでした。
 右下の写真は「スカシバコン」を樹に巻いたところです。ちょっと見にくいですが,袋の先に10センチくらいの灰色のテープをくくりつけています。これはコスカシバ対策として,合成性フェロモンで交尾阻害を行う方法です。が,効果は否定できないものの,確実に排除することはできないようです。
 「フェロモン」と言えば,藤原紀香の写真をぶら下げるのも1つの「手」かもしれません。叶姉妹だとあまりにも「ゴージャス」になって農作物としてはいかがなものでしょうか。好みとしては小宮悦子あたりにしたいところです。

1.コスカシバにやられた樹


2.スカシバコン

4.すかし剪定(せんてい)

 太陽エネルギーをいっぱいに浴びさせるため、枝と枝の間を思いき り空けています。収量は少なくなりますが、消毒液の量を減らすなど の効果もあります。梅の場合、せんていは多少やりすぎても木に影響はあ りません。


[写真1]
 せんていをしている私の「勇姿」です。いつもなら12月中に終わるのですが今年度(2000年)は忙しかったのといろいろな事情があり,遅れてしまいました。つぼみを持っているので,慎重に,かつ急いでしなければなりません。去年までは剪定バサミ,ノコギリ,高枝せんてい,チェーンソーだけでした。が,剪定バサミは「けんしょう炎」を起こしやすいので,今年は太枝切り長短2本を購入しました。切り口に多少問題はありますが,お陰様で作業能率もぐんと上がりました。
 さらに2002年からはコンプレッサーなるものを購入し、剪定はグンと効率化しました。《省力化作戦》のページをご覧ください。ミカンは梅のように機械的に切らないので、相変わらず、剪定鋏、ノコギリ、高枝剪定、チェーンソーを使っています。


[写真2]
 
剪定前の梅の樹。私は剪定が強いので「徒長枝」という、若くて長い枝がいっぱい出ます。樹は切られると高さを取り戻すために長い枝を出すのです。一般の農家の梅は剪定が弱く、これほど徒長枝は出ません。





[写真3]
 剪定後、同じ所を写しました。メチャメチャ「すっきり」しているでしょう。私は強めの剪定にして樹を若返らせるようにしています。よその梅とも比較したかったのですが、「余計なお世話」なのでやめました。





[写真4,5、6]
 
ついでに同じ場所から花の咲く頃「4」と若葉の頃「5」の写真を撮りました。移り変わりがよく分かるでしょう。このあと,収穫期「6」には梅の実の重さで枝が垂れ下がってきます。普通は「つっかい棒」をするのですが,作業の邪魔になること,自然の樹は実がなってもそのままであること,などから私は好みません。あまりにも垂れ下がるときは初めから短くしておけば良いという考えです。
 草ボウボウで恥ずかしいのですが,除草剤は極力使わない方針なので,重労働の草刈を省力化するベストの方法を思案中です。効果のあるものには副作用があり,副作用のできるだけ少ない方法を選びたいのです。
 また、収穫期になると毛虫に悩まされます。特に「イラガ」の幼虫に刺されると電気が走ります。普通は農薬で殺してから収穫するのですが,絶対に必要な農薬ではなので,刺されて真っ赤になりながら作業します。人を雇うときはこんなことはできないでしょう。













 1.剪定中の私


 2.選定前 12月中旬


 3.剪定後 12月下旬


 4.花が咲く頃 2月下旬


 5.若葉の頃 4月下旬


 6.収穫期 5月下旬

5.肥料は鶏糞にEMを入れたものを使用

 鶏糞は家で飼っている鶏のものを使用しているので、薬剤や添加物など は含まれていません。現在は有機肥料と言っても汚染されているものが多いのです。みかんは鶏糞を入れると甘味がなくなるので、EM ぼかしと魚粉・骨粉などの有機肥料にしています。
 写真は草刈をしてバーナーで焼き,小型耕運機で耕したあと,紙袋に入れた鶏糞をまいているところ。樹の下には稲わらが敷いてあります。家内が鶏糞取りをしている間私が1人でまいて写真を撮ったので人影はありません。

6.梅は全て手取り

 直販の梅は,青梅も熟し梅も全て「手取り」です。
除草剤を使わず,鶏糞をまいているので,下に落ちると「キタナイ」という「事情」もありますが,新鮮な「とりたて」をお送りするためです。
 ここは梅も写真もとりやすいところです。これだけ見ると「梅とりって結構楽そうだな」と思われるかもしれませんが,雨のときはもちろん,朝露のあるときや雨上がりにも「カッパ」を着なければなりません。「サウナ」より汗が出ます。思いきった剪定により,樹を低くしていますが,標準身長にかなり満たない我々には結構重労働なのです。「三脚」を抱えて動き回っています。背が高すぎても梅の樹の中を歩くのは大変でしょうが,そんな「ぜいたくな悩み」には「同情」しません。
 うしろの「ワラ」を敷いたところには「チヂミシソ」を植えています。これは「大葉シソ」より作りにくく,量が少ないので主流ではありませんが,「シソ漬け」にしたとき、色が全然違います。毎年種を取り,畑の空いたスペースに植えるようにしています。無農薬のため,今年はアブラムシにほとんどやられ,まき直したり人から苗をもらって植えなおしました。

7.選別は手作業で,大きさの選別はしない

 雨のかかった梅を乾燥しているところです。梅は見かけによらずデリケートで,扱いには十分気をつけています。
 普通,きれいさと大きさによって選別されますが,私はきれいさだけを作業台で手作業で選別し,大きさは無選別としています。大きさの選別は機械の上で転がして落とすので,いたみが出ると考えます。
 コンテナには「クッション」が入っており,時々クッションを取りわすれることがあります。目方が見かけより軽いのですぐに分かりますが。
 目方といえば,「新鮮」なものをお送りすると水分が蒸発して「目減り」することがあります。私の梅は大きいので普通の梅の箱には入らず,ミカンの箱を使い,余分に入れていますが,それでも5%くらい目減りします。この程度は「新鮮さ」に免じてご容赦ください。雨の日は特に深刻です。十分乾かしているつもりなのですが。


作っている梅の種類と用法について

 大梅は「南高(なんこう)」と「古城(ごじろ)」、小梅は「白王」です。南高は梅酒、ジュース、梅干、 梅肉エキスなど、何にでも使える万能種です。肉厚もあり、最高品種とされています。昔はいろいろな梅が用途に応じて作られていました。が、開花時期や収穫時期が異なるため、作業の単純化から、南高梅が中心になってしまいました。逆に、作業が集中しすぎるため、早い時期に収穫できる古城などは見直されつつあります。古城は梅干には適しませんが、肉厚があり、梅肉エキスや梅酒用にはむしろ最適です。特にご希望がない限り、若梅、青梅は古城を優先的にお送りします。「ヤニ」が出やすい欠点はありますが、加工に支障はないと思い、私はそのための農薬はかけていません。
 市販の梅製品は正直言って高すぎます。誰かがボロ儲けしているのでしょうね。健康のためにも安全な良い梅を選んで、できるだけ自分で加工 されることをお勧めします。ただし、小梅は梅干以外に使うのはもったいない気がします。

古城・南高若梅…カリカリ漬け,梅肉エキス用

 2014年で販売を終了させていただいています。
 カリカリ漬け・梅肉エキスは青梅になる前の、まだ細かい毛が取れていないような若い梅が最適です。若梅だからこそ、カリカリ漬けのカリカリ感が味わえ、梅肉エキスを作るときに種と実が離れやすいのです。青梅からあとでは実がやわらかくなり、種と肉が離れにくくなります。まだまだ大きくなる前の若梅の時期に取るのはもったいない気がしますが、カリカリ漬け・梅肉エキスのご希望も多いので、お分けしています。特に梅肉エキスは和歌山県以外ではあまり知られていません。が、血液をさらさらにきれいにする効果が確認されています。また、食あたり・水あたりに効果があり、戦争など、よその土地に行くときは必需品だったそうで、ぜひご自分で作られることをお勧めします。三男がインドに行った時にも持たせましたが、約50名の団体の中で1人だけお腹をこわさなかったそうです。ただ、梅肉エキスは元の梅の50分の1になり、外観は関係ないですから、B級品や選外品で十分だと思います。凝縮しますから、農薬が極力少ないものを選びましょう。

古城・南高青梅…梅酒、梅ジュース用…5月下旬〜6月上旬

 青梅は時間との戦いです。とりたてを直送しますのでお店で買うものと仕上がりが違います。砂糖・塩は天然の良いものを使いましょう。 塩分の害が言われているのは化学物質である食塩についてであり、 良い天然塩はミネラルなどを含み、人間の体に不可欠のものです。 カリカリ漬け以外は「実」そのものを食べないので、キズモノで十分です。

南高熟し梅…梅ジュース、白干し、シソ漬け用…6月10日〜20日前後

 ジュースは熟し梅のほうがまろやかになります。白干し、シソ漬けは 多少の傷(すり傷や黒星やカイヨウ)を気にしなければ等級の低いもので十分です。梅は大変デリケートで、私どもでは傷つくのを避けるため無選別にしていますが、 大きさもいろいろあったほうが食べるときに必要な大きさが選べるのではないでしょうか。

小梅…5月下旬〜6月上旬

 大梅ほどすっぱくなく、ちょっと欲しいときに便利です。販売するほどないので,自宅用です。


サンプル (白く映っているのは100円硬貨です)

小梅

小梅5k箱サンプル
小梅5kサンプル画像
小梅アップ
小梅アップ画像

小梅…カリカリ漬け、梅干し用

 南高梅とは種類が違い、小さな梅です。大きな梅では1個食べるのに苦労することもありますが、これはそれほど酸っぱくもなく、欲しい分だけ調節できます。
小梅は余り作っていないので、原則として固定のお客様限定販売になります。

若梅

若梅は2014年に販売を終了させていただいています。

カリカリ用若梅…古城梅

 2003年から若梅は原則として古城梅(ごじろうめ)になります。
南高梅ご希望の方はその旨お書きください。
この梅は熟しにくく、種離れが良いので、若梅・青梅としては最適といわれています。カリカリは梅干のようにシワシワにならず、傷が目立つので、A品をお送りいたします。
 古城梅の梅酒用Aもだいたいこの程度です。

梅肉エキス用若梅…古城梅

 梅肉エキスはつぶしてしまうし、煮詰めると2パーセント程度になります。
そこで、選外品も入れて出来るだけ安く提供できるようにしました。
 梅肉エキスは腹痛や水あたりに効果があるほか、血液をさらさらにする効果も認められています。手間がかかると思われる方には自家製の梅肉エキスもご用意しています。
 古城梅の梅酒用Bは、これから選外品を取り除いた程度です。

若梅A…カリカリ漬け用(南高梅)

 産毛がまだ取れていない若い梅です。種と肉がはがれやすいので、カリカリ漬けなどに適します。このころはまだ小さくて重さが取れないので、あまり出したくないのが本音です。

若梅B…梅肉エキス用(南高梅)

 梅肉エキス用は汚い梅で十分です。きれいさよりも安全性に気を使ってください。2%程度まで煮詰めますから、農薬もそれだけ濃縮され、健康食品にはなりません。自家用にはもっとキタナイ梅を使います。

青梅

青梅A5k箱サンプル
青梅A5kサンプル画像
青梅Aアップ
青梅Aアップ

青梅A…梅酒・ジュース用(古城梅・南高梅)

 黒星病の点が3つ以下程度。サンプル画像は綺麗なものを使用しています。
自然のものですから小さなものも入ります。
 梅酒用には次のBで十分かもしれません。



青梅B5k箱サンプル
青梅Bサンプル画像
青梅Bアップ
青梅Bアップ

青梅B…梅酒・ジュース・梅肉エキス用(古城梅・南高梅)

 黒星病の点や傷がやや目立ちます。熟し梅用を大きくするために間引いた小粒の梅も入ります。
もっと汚い選外品は自家用に使います。この状態で梅干用まで置いておくと、選外品になります。梅干用に上のAを残さなければならないので、梅酒用はできるだけBを使っていただきたいところです。
梅肉エキスとして利用される方は5月10日までにはご注文ください。また、C品は青梅としては選外となる色づいてきたもの(収穫時に交じってしまったもの)も入ってきますので、こちらの方がよいかもしれません。



 青梅C5k箱サンプル
青梅C5k箱サンプル画像
青梅Cアップ
青梅Cアップ
 

青梅C…梅酒・ジュース・梅肉エキス・酵素用(古城梅・南高梅)

 黒星病の点や傷がかなり多くなります。
熟し梅用を大きくするために間引いた小粒の梅や、青梅としては色づいてしまっているモノも入ります。
梅肉エキスとして利用される方は5月10日までにはご注文ください。
もっと汚い選外品は自家用に使います。

熟し梅

熟し梅A5k箱サンプル
熟し梅A5kサンプル画像
熟し梅Aアップ
熟し梅Aアップ

熟し梅A…漬け梅・白干し・ジュース用(南高梅)

 低農薬は梅干用の時期になると、さらに汚く、くすんで見えます。最低農薬でA品を得るのはかなり難しいのです。ご注文のときに「Bでも良い」といってくれればありがたいのですが。完熟だと輸送中につぶれる可能性があるので、完熟直前に、全て手取りで収穫します。拾い梅は販売しません。
 私の梅はきれいではないが、「生き生きしている」といわれます。確かによその梅を見たとき、失礼ながら夫婦で思わず「この梅、死んでいる」と叫びました。エネルギーが感じられなかったのです。土地の違いか、育て方の違いか、よく分かりません。

一般に言う、秀、優品。
好みや、その時の湿度・気温によりますが、だいたい届いて2、3日で漬け頃になるような熟度でお送りさせていただきます。


サンプル写真は箱詰め時のもの。色見が実際よりも青かぶりしていますが、撮れた中ではましだったので・・・・。
箱の中で蒸れて1日たって届く頃には、もう少し色づきますし、黒星などがより多くなります。
熟し梅B5k箱サンプル1
熟し梅B5kサンプル画像1
熟し梅B5k箱サンプル2
熟し梅B5k箱サンプル画像2
熟し梅Bアップ
熟し梅Bアップ

熟し梅B…漬け梅・白干し・ジュース用(南高梅)

 B品は黒星病やスス病がやや目立ちます。写真では実物より少しきれいに見えますが。自家用にはこの下の「選外品」を主に使います。Bなら漬け梅でも十分と思いますが,気になる方はジュース用に使ってください。
いわしの骨が気にならない人もいれば,「ジャコ」の骨まで気になる人がいます。カイヨウ病,黒星のひどいもの,スス病は選外品にしていますので,黒い星が見かけ上気になる方や舌にさわるという方は次回からAにして下さい。
 生産者としては,A.Bバランスよく注文していただけるのが「理想」です。

2017年より規格変更。(サンプル写真は後日変更予定)
一般に言う、優、良品。
好みや、その時の湿度・気温によりますが、だいたい届いて2、3日で漬け頃になるような熟度でお送りさせていただきます。


サンプル写真は箱詰め時のもの。色見が実際よりも青かぶりしていますが、撮れた中ではましだったので・・・・。
箱の中で蒸れて1日たって届く頃には、もう少し色づきますし、黒星などがより多くなります。
サンプル準備中

熟し梅C…ジュース・酵素用(南高梅)

 「梅」が汚くて「選外品」になるのはどの程度なのか,ご質問が多いので写真を載せます。これらは全て「ジュース用・選外品」として安く引き取られます。黒星・スス・ヤニ・変形・カイヨウなどが見られます。最低農薬や無農薬ではこのような実ができるのが怖いのです。1年間の努力が水の泡になります。今年(2002年)は5枚中1枚の畑がほとんどこの状態でした。2002年から最低農薬だけにすると、今までややきれいな低農薬を買ってくださっていたお客様の3分の1近くが消えました。「結局きれいさなのか」とがっくりしました。が、私の姿勢を評価し、信頼してくださるお客様も増えましたので、頑固に信念を貫きたいと思います。
 農薬を使ってもこのような実はでき,安く買って「無農薬」として高く売っている「たくましい人」、喜んで買う「お人好し」もいるようです。ある意味では「尊敬」しますが。
 基本的に、私は「農薬をやらないだけの無農薬」には抵抗があります。何らかの工夫と努力が必要で,それが「百姓の誇り」ではないでしょうか。

2017年より規格変更。(サンプル写真は後日変更予定)
見た目の規格を少し厳しくしました。
一般で言う良、並、選外品。見かけが悪く、味もバラツキがあります。
規格内ではありますが、年による見た目の変動が一番激しくなります。
梅酒、梅ジュース(まろやか味)、酵素用。白干しを焼酎に入れる場合は十分使えます。
梅干用にはお勧めしませんが、人によっては1〜3割ぐらいは梅干し使用の許容範囲だと思います。
農園としては梅干し用として販売していませんので、梅干用でご利用になられる場合、不都合は自己責任でお願いします。
見た目に汚いもの、小さいものなどが入ってきます。
C品は私共も出ないよう努力しているものです。努力の成果等により、また選別の結果によりご提供できない場合がございますのでご了承ください。

 サンプル準備中

熟し梅D(選外品)…酵素用(南高梅)

2017年新設。(サンプル写真は後日変更予定)
ノークレームの方のみ受付。先払い限定。
D品は選外品。腐っているモノ以外は入ります。(腐りと間違われる、黒星病で真っ黒になりしわしわになっているものも入りますが、腐りではありません。)
酵素用。
見た目に汚いもの(割れ裂け含む)、小さいもの、収穫時に取ってしまった熟し梅としては青いもの、前日か当日落ちたであろう梅などが入ってきます。




梅の加工(砂糖・塩・シソなどの割合は好みに合わせてください)

白干し

 熟し梅1kgに対し塩180g。梅を水洗いし、容器に塩3分の2で梅を漬け、 残りの3分の1は最後に上から厚くかけて漬け込む。その上に重石を置き、 液汁(梅酢)があがると液面に薄いビニールを覆い、空気との接触を避けてカビの発生 を防ぐ。床下・物置などの直射日光の入らない冷暗所に保存する。土用に天気 を見計らって梅を取り出し、3〜5日天日干しをする。梅酢はビン詰めにして保存し,シソ漬け・食酢などに使います。
 塩分を控えめにして添加物を入れたり、酢と焼酎を入れたりしたものもありますが、私は良質の自然塩を使って濃度18パーセントくらいにすることをお勧めします。


 干す前に梅を水洗いして、余分な塩を流す。

 梅どうしくっつかないように並べて干す。
表2〜3日、裏1〜2日。

天然シソ漬け

 白梅干1kg、もみじそ200〜500gの割合で交互に入れる。次に梅酢を十分 つかるまで入れる。漬け込みして2、3ヶ月で薄紅の香り豊かなシソ漬けが できます。干したものがお好みの場合は、その後天日干しにします。シソは少量の塩をまぶしてもみ,汁が出て柔らかくなったら強く絞ってアクを抜いてください。


 シソの葉をちぎって…

 塩もみする。このあと梅酢に漬けておく。

梅肉エキス

 青梅を陶製のおろし器ですりおろし、その汁を土鍋に入れて火にかけて、 木のしゃもじでまぜる。1kgあたり40分で飴状のエキスができる。 大量に作る場合、私は、肉たたきでつぶして種を取り除き、肉をジューサーに かけて汁を出します。汁は余り煮詰めすぎるとあとで固くなるので注意。 また、酸がかなり強く、生の青梅は毒だということも覚えておいて下さい。 金属のものを使ったらよく洗っておくこと,口に入れないこと,手をよく洗うことに注意。青梅の約50分の1くらいになるので、一度に青梅10kg位は作られたら どうでしょう。結構大変ですが、長期間置け、食あたりおよびその予防の他、 血液をさらさらにする作用もあって、重宝します。実のしぼりかすをジャムに使う人もいます。

梅酒

 青梅1.2kg、氷砂糖0.6〜1.2kg、焼酎35度またはホワイトリカー1.8リットル。お酒好きの方は砂糖を控えめに。ブランデーを使う方もいます。梅は水洗 いしてから、乾いた布で水気をふき取る。広口びんに青梅と氷砂糖を交互に 入れて焼酎を静かに注ぎ入れる。容器にふたをして密閉し、冷暗所に保存し、 時々ビンを振り動かして砂糖を溶かす。2、3ヶ月で出来上がるが、長期間 おくほどまろやかさが出る。取り出した梅の実はジャム作りや砂糖・蜂蜜煮などに利用できます。

梅ジュース

 梅2kg、(氷)砂糖1.5〜2kgの割合。梅は水洗いしてから、乾いた布で水気 をふき取り、冷凍庫に入れる。果汁が出やすくするために、フォークなどで穴をあけても良い。広口びんに青梅と氷砂糖を交互に入れる。一番上に氷砂糖を敷き詰めるとカビが来ない。7〜10日で氷砂糖が 溶けて果汁が出る。果汁を約80℃で15分間加熱殺菌する。冷蔵庫で保存し、 5、6倍に薄めて飲む。そのままでカキ氷のシロップに使えます。

 [大量に作るとき]
 梅と砂糖が1:1になるようにする。梅は水洗いしてから、ざるに取り、水気を取る。水分が残っているときはふき取る。水分が残っているとカビの原因になる。果汁が出やすくするために、フォークなどで穴をあけても良い。ホワイトリカーでタルを消毒しておく。タルに青梅と氷砂糖を交互に入れて、一番上に、梅が見えないように氷砂糖を敷き詰める。これもカビの予防になる。梅の半分の重石を乗せる。(うちでは50リットルのタルに梅20kg、氷砂糖20kgで、重石が10kgとした。)水分が上ってきたら、干からびた梅から取り出していく。氷砂糖が溶けたときを出来上がりのめやすにする。果汁ができたら氷砂糖が下にたまっているのでよくかき混ぜて、一度殺菌をかねて沸騰させる。さめたらビンに入れて冷暗所で保存する。うちでは数年保存していますが、年とともにまろやかになりました。

カツオ梅

[材料]白干し梅1kg、赤シソ(塩もみしたもの)75g、かつお節15g
    たれ:梅酢100cc、酒50cc、砂糖300g、ミリン100cc、醤油50cc、酢50cc
[作り方]
1.白干し梅は水につけ1晩塩出しをする。水気を切るとき、焼酎で殺菌するとよい。
2.シソは水洗いし、よく絞ったあと細かく切る。
3.カツオ節と「2」のシソをよく混ぜて、ひと煮たちする。フライパンでいためる。
4.ナベで「たれ」をひと煮たちさせる。酒とミリンは最後に加えること。
5.さましたあと、たれに「3」と「1」の梅を入れて1週間ほど漬け込む。
《注意》たれはできるだけ添加物のない良いものを使いたいが、こだわりすぎると限りなく高くつきます。妥協が必要ですが、特に「砂糖と酢」は良いものを使いたいものです。梅とシソにこだわるのはもちろんです。塩分が薄くなるので、冷蔵庫などで保存します。

ハニープラム

 熟し梅800グラム、蜂蜜400cc、米酢400ccの割合。梅は甘い香 りがするくらい熟したものを1時間水につけてあく抜きをし、よく洗って水気 を切る。米酢、蜂蜜の順に1対1の割合で加え、梅がかぶさるほどになると 密閉して漬け込んでおく。1ヶ月くらいで梅が浮いてくるので時々逆さにす る。小梅は約8ヶ月、大梅は約10ヶ月で液も梅もおいしくなる。この頃、 梅がびんの半分くらいになり、下のほうに沈む。液は薄めてスポーツドリン クに、塩・コショウ・サラダオイルを加えてサラダのドレッシングに、 醤油・出し汁を加えてあえ物に、ゼリーなどのデザートに。実はそのまま 食べる他、いろいろに楽しめます。

カリカリ漬け

 このレシピは長野県の小澤様から頂きました。サンプルもお送り頂き,あっさりした良いできになっていました。「種のはずれ」も良く,南高梅でも満足のできる「カリカリ漬け」ができることを確認しました。が、私どもが作ると思うようにできませんでした。寒い地方の方が作りやすいようです。
【材料】
梅(堅い若梅)・・・・・・ 1kg
塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100g
赤じそ ・・・・・・・・・・・・・ 100g
塩 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10g
【作り方】
@ 梅に塩をまぶし、しっかりと色が変わる位までよくもみます。
A 剣山など先の尖ったもので、小さな穴を開けてやり、材料の2倍位の重石をします。
B 2日位で水が上がってきますが、これが白梅酢です。
赤じそが出回ったら、梅干と同じやり方で塩でもんで入れます。白梅酢を1/2カップ位入れるとよく色が出ます)
1ヶ月半くらい、中まで色づけば大丈夫です。
※塩分が少ないので、冷蔵庫保存ですが、1年はかりかりのおいしい梅漬けが食べられます。
※塩漬けの段階から「卵の殻」を布袋に入れて一緒に漬けたら見事にかりかりに漬かりました、という投書がありました。 

シソジュース

 梅干にシソはつきものですが、シソジュースも体が軽くなるようなあっさりした飲み物です。健康にもいいようですから、ぜひお試しください。できれば無農薬のシソを使いたいものです。
【材料】
赤シソ・・・・・・ 150g
レモン汁・・・・適当(ほかの柑橘でもよいし、なくても良い)
砂糖 ・・・・・・・・250g〜300g
水・・・・・・・・・・1リットル
クエン酸 ・・・・小さじ1(酢でもよい)
【作り方】 
 @シソは水で洗って汚れを落とす。
 Aシソと水をなべに入れて煮る。 シソの赤い色が出てしまうまで、沸騰させる。
 B砂糖を加え、砂糖が溶けたら火を止める。 シソの葉を出す。 シソの葉は冷めてから取り出しても良い。
 Cおろし際にクエン酸(または酢)を加え、(レモン汁を適宜いれて)ビンに詰める。
  飲用するときはそのままか、お好みにより、2〜3倍に薄める。

※紫蘇ジュースに梅酢をブレンドして新生姜や茗荷を漬けるとまろやかな漬け物が出来あがります、という投書がありました。
*分量はあくまで目安なので紫蘇や砂糖、酢は好みで変えてください。
*冷蔵庫に入れて約1週間保存できます。

梅酢味噌

 汚い青梅の利用法を教えていただきました。作ってみるとかなり「いける」と評判。ぜひ作ってみてください。
長芋の短冊切り、こんにゃくの刺身、ナスの素揚げ、キュウリなどの夏野菜につけるとおいしい。パンにぬると、マーマレードのような風味。ワケギのぬた、キビナゴのぬた、手巻き寿司の野菜にも合う。他にもいろいろ試してください。
【材料】
 青梅…1kg
 味噌…1kg
 砂糖…600g〜800g
【作り方】
 @青梅は洗ってから水気を取る。
 Aすべての材料を入れても半分ほどの空きが出る広口のビンを用意し、熱湯で消毒した後、梅、砂糖、味噌の順に入れる。
 Bふたをゆるく締めて冷暗所に置き、途中2,3回かき回して1週間前後寝かせる。

※梅を長く入れておくと梅酢が出すぎて、とろみがなくなるので、ころあいを見計らって取り出す。
※保存は、完全にさめてから、蜂蜜の空き瓶などで保存する。
※引き上げた梅は、ほうろう鍋か土鍋に移し、弱火にかける。だし昆布を切って加え、醤油120cc〜135ccを加えて、梅をつぶしながら煮る。弱火で20分〜30分、昆布や梅の果肉が煮崩れてペースト状になるまで練り上げ、火を止める。酸味の利いた練り梅の出来上がり。葉物の梅肉あえに、イカ焼き、白身魚などにお試しください。

烏梅(うばい) 

 烏梅は中国語で(ウーメイ)といい、梅は(メイ)という。日本には初め烏梅という漢方薬として入ってきたので梅を《ウメ》と呼ぶようになったらしい。ある知り合いから烏梅を研究してくれといわれたが、実物を知らず、詳しい書籍もない。頼るはネットだけ。一番参考になったのは染色用の烏梅のHPだったので、漢方薬用にはどうすれば良いか、試行錯誤は5年ほど続いた。とある大学の薬学部教授が書かれた本もヒントになった。年に数回しか実験できないのが悩みだった。条件を変えた実験を同時進行で繰り返した結果、6年目くらいから《合格点》の取れる烏梅を確実に作れるようになったが、細部にわたる製法については申し訳ないが《企業秘密》にさせていただく。

作業

ポイント

梅の選別
 半黄色の青梅。青梅にしてはできすぎ、熟し梅にしては若すぎという梅を選ぶ。
南高梅は肉厚なので、タール部分が多く、最適なのではないかと思う。
大きさはほぼ3L以上。選別基準は一般の等級とは違ったものになる。
きれいさではなく、烏梅として適するかどうかで選別する。
下準備
 (ここは特に企業秘密だから作業写真なし)
 ススを作るための薪ストーブと煙突
 ワラを燃やしたものを水に入れて梅を浸し、乾かしてからススをまぶす。ススは天然の木を燃やしたものを使い、合板や化学物質の入ったものは厳禁。ずっと信頼できる協力者にお願いしていたが、お風呂を薪から灯油に換えるという。2011年分からは自家製にしなければならないということで、薪ストーブをオークションで購入。薪ストーブは中国製の鋳物、煙突も安物だが、ススがたまるようにちょいと工夫した。ススを取るだけでは能がないので、煮込み料理、鶏のエサ作り、梅肉エキスやニンニク卵黄作り、さらには非常時の《おくどさん》として使う予定。写真はタケノコを湯がいているところ。

 思うに、梅の品質もかなり重要なポイントなるはず。私はうちの最低農薬の大きな南高梅を使って実験しており、各処理や作業時間は一般的なものではないと思う。早い話が、うちのを買ってくれということ。

 苦労して製法を開発したが、息子には評価されていない。忙しい梅の時期に手間がかかるわりには儲けがないということだ。原料となる梅自体が中国製と値段が違うし、熟して落ちた梅を使う染色用とは梅の価格だけでなく、時期的に天日干しの手間が違ってくる。まあ、息子もいつ気が変わるか分からないから、製法だけはまとめておこう。
燻製器に入れる
 燻製器は効率や温度調整を考えると大きい方が良い。実験段階では市販のものを使っていたが、高温になって焦げるなど、失敗の連続だったので、市販のストッカーを買ってきて、
内部に段などを作り、外からチェックできるように温度計をつけた。七輪に練炭を入れ、初めは籾殻で煙を出していたが、今は桜の枝が中心になっている。肉などの燻製ではないから、梅の剪定枝の方がいいのかもしれない。桜の木はむやみに切れないから。
天日干し
 燻製器から出てきたものは天日干しにする。これを繰り返すが、何時間で何回繰り返すかも企業秘密。天日干し中に不良品を取り除くと大体生梅の2割以下になる。月ヶ瀬村の染色用烏梅と異なり、梅雨真っ最中の天日干しだからかなり気を使う。雨に当たれば廃棄処分になる。

その他の梅料理

 その他の梅料理については、和歌山県日高郡南部川村谷口299-1、 南部川村役場うめ課(Tel.0739-74-3276)のご好意で「梅料理」という小冊子から写真を頂き,「梅料理」のページを作りました。 こころよくご許可下さった南部川村役場と,梅料理研究会の皆様に感謝いたします。こちらのHPは「リンク集」 でご紹介していますので,ぜひご覧下さい。

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